YUJI KISHIRA
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岸良裕司
アニメ制作プロデューサー/東京大学MMRC非常勤講師/国土交通大学 非常勤講師
1959年生まれ。株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践し、活動成果の一つとして発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び、07年4月に国策として正式に採用される。幅広い成果の数々は、 国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。08年4月、ゴールドラット博士に請われて、ゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任し、日本代表となる。そのセミナーは、 楽しく、わかりやすく、実践的との定評がある。著作活動も活発で、笑いながら学べ、しかも、物事の本質を深く見つめるユニークなスタイルで読者の共感を呼び、ベストセラーを多数出版している。 海外の評価も高く、さまざまな言語で、世界各国で本が次々と出版されている。
ヨソウ虫
【職場へのダメージ】
★★★★☆
【生息地域】
営業や生産など、需要予測をしている部署に発生する。腹部に水晶玉のような形をした突起がある。近年はDXを推進するIT部門にも出現するようになり、「DXアオリ虫」と同時に発見されることが多い。
【特徴】
「ヨソウ虫」が発生すると、需要予測が当たらなくなり、過剰在庫と欠品を引き起こし、会社の利益と売り上げを蝕む。営業と生産の間に険悪な関係を引き起こす根本原因ともいわれている。一部の地域では「ヨソク虫」とも呼ばれて、汚物に似た強烈な悪臭を放つ特徴に由来するとされる。
カネクイ虫
【職場へのダメージ】
★★★★★
【生息地域】
政府、政治家、国会、行政、自治体などに多く見られる。最近は民間企業でも官僚的な予算管理をしている組織に広がっている。
【特徴】
「7つの誘惑」と言われる甘いにおいを放つ呪術を使い、予算を食い物にして際限なく増えるのが特徴。「もっとお金を」「もっとテクノロジーを」「もっと組織変更を」「もっと研修とコミュニケーションを」「もっとデータを」「もっと責任の明確化を」「もっと戦略的計画を」という、7つの「もっと」を環境に合わせて使い分けながら鳴き続ける。特に、国や地方自治体の選挙、民間企業の予算シーズンに増殖することが知られている。「カネクイ虫」が大量発生すると、予算を無駄使いのみならず、仕事が際限なく増え、最悪の場合、組織を機能不全に陥らせる。
サバヨミ虫
【職場へのダメージ】
★★★☆☆
【生息地域】
不確実性の高いプロジェクト
【特徴】
人の心の中にある責任感を好み、それを栄養源にして急速に増殖する。主な被害として、納期遅れ、予算超過、プロジェクトの収益の悪化など。「サバヨミ虫」が大量発生しているところには、「シーエー虫」「マルチタスク虫」も同時発生することがあるので早期の対策が必要である。
テイコウ虫
【職場へのダメージ】
★★★☆☆
【生息地域】
「変える」という言葉の周囲。“Yes, but……”という鳴き声が聞こえるので発見は容易である。特にキラキラしたスローガンを伴う経営改革や行政改革の渦中に大量に集まることが知られている。
【特徴】
「変える」という言葉を嫌い、抵抗する。群れを成すことが多く、その群れは「抵抗勢力」と呼ばれる。危険なのは 「抵抗勢力」と周囲からレッテルを貼られると、さらに激しく抵抗する習性がある。テイコウ虫が大発生した組織では変革が頓挫し、組織そのものが瓦解(がかい)する恐れもあるので注意が必要である。
カクニン虫
【職場へのダメージ】
★★☆☆☆
【生息地域】
組織の高いところを好む。イノベーションや開発など現場の会議に定期的に雲の上から降りてきて、「コストは?」「市場規模は?」「競合は?」などと確認を繰り返すので発見は容易。
【特徴】
組織の高いところから落ちるのを極端に恐れるあまり、たくさんの確認を繰り返す習性がある。この虫が蔓延(まんえん)すると現場は商品づくりよりも、書類づくりに追われ、イノベーションが停滞する。「リスクを恐れるな!」「チャレンジしろ!」などと叫ぶこともあり、この矛盾した行動がどうして起きるのかは各地で研究対象になっている。「シーエー虫」が雲の上の手の届かないところに上がると「カクニン虫」に変異するとの説もある。
シーエー虫
【職場へのダメージ】
★★★★★(最悪)
【生息地域】
納期遅れ、予算超過が頻繁に発生する会社の会議室や管理者の周辺
【特徴】
上司という圧倒的に優位な立場にあぐらをかき、部下にダメ出し・叱責するのが特徴。主な被害は、納期遅れ、予算超過、会社の収益の悪化、顧客満足度やモチベーションの劇的低下など。大量発生すると風通しの悪い職場という風土病を引き起こし、治療に長期を要することがある。
ザイコフヤシ虫
【職場へのダメージ】
★★★★★
【生息地域】
より安いコストを求めて、海外生産を展開している会社に忍び込みこむと言われている。メタボ体形が特徴。財務諸表の棚卸在庫日数の状況をみれば、ザイコフヤシ虫が繁殖しているかどうかがわかるので、発見は容易である。昨今のサプライチェーンの分断リスクを背景にさらなる増殖が見込まれる.
【特徴】
海外生産によって、計算上はコストダウンができるため、長年「益虫」と考えられてきたが、その裏ではせっせと在庫を増やし、会社をメタボ体質にして、資金繰りを悪くし、経営危機に陥れる恐ろしい害虫であることが近年明らかになった。作れば売れる世代の経営幹部の目にはいまだ「益虫」と見えることが多く、退治するのは極めて困難。恐ろしい毒虫「ゲンカ虫」と共生していることが多い。
ゲンカ虫
【職場へのダメージ】
★★★★★
【生息地域】
経理財務部、経営企画部、経営幹部、工場の経営幹部などに多く見られる。
【特徴】
人に幻覚を引き起こす物質「ハイフ」をあちらこちらにまき散らす毒虫。特にエクセルなどのスプレッドシートの数字をゆがめて見せることで、誤った意思決定を誘発する。最悪の場合、組織を死に至らせることで恐れられている。
マルチタスク虫
【職場へのダメージ】
★★★★★(最悪)
【生息地域】
ダメ上司の周辺
【特徴】
あれもこれも最優先、目が回るほど忙しい現場によく見かけられる。主な被害として、仕事の生産性の劇的低下、仕事の質の劇的低下、手直し・手戻りなど無駄な仕事の増加、ES(社員満足度)の低下、退職者の増加、メンタル問題多発など。
ソシキノカベ虫
【職場へのダメージ】
★★★★☆
【生息地域】
大企業や行政組織をすみ家とする。「組織の壁を壊そう!」「全体最適で仕事をしよう!」などのスローガンが貼られた組織の壁に必ず生息しているとされる。行政組織では、「タテワリ虫」とも呼ばれる。
【特徴】
組織と組織の間に入り込み、せっせと「組織の壁」をつくり、人に部分最適の行動をさせる。組織連携を阻み、部分最適の組織風土病を引き起こす原因と言われている。組織の能力を極端に低下させ、放置すると、組織間の軋轢(あつれき)を招き、最悪の場合、経営危機を招く。「生産」と「販売」の間に広く観察されているが、この原因の解明が待たれている。
DXアオリ虫
【職場へのダメージ】
★★★☆☆
【生息地域】
IT会社、コンサル会社、企業のIT部門、新しいバズワードが好きな経営幹部、マスメディア、行政、政府など
【特徴】
「デジタル、デジタル」と鳴き声を連呼し、キラキラとした羽が特徴で、腹が黒く、発見は容易。主な被害として、デジタル化は進んだが肝心の変革は一向に進まない、お金のムダ遣いなどがある。一部の業界では害虫ではなく、会社をよくする特効薬を生み出す「益虫」として繁殖・販売されており、膨大な収益をもたらしている。現実のフィジカル空間世界だけでなく、ネットやeメール、SNSなどのサイバー空間を通してあらゆるところに忍び込むのがやっかいな害虫である。
サバ読み格言集
プロジェクト現場の格言をあつめて、岸良のおバカなキャラを反映して、格言集の解説集をつくってます。「目標を突破する実践プロジェクトマネジメント」に掲載したのですが、かなり、エッジの効いた内容なんで、
不評を買うかとおもったら、ものすごい反響で、驚きました。笑ってもらえるとうれしいです。
絵に描いた餅
プロジェクトの計画段階で書かれる工程表。プロジェクトの企画段階としてよく発注者や上司を説得するために作成される。本来は進捗管理してこその計画なのだが、なぜかいったんプロジェクトが始まると再度、顧みられることはなく、実際には多くの場合、プロジェクトマネジャーの頭の中で進捗管理が行なわれている。
触らぬ神に祟りなし
膨大な管理作業で肝心の仕事がおろそかになってしまって、現場が無駄だとわかっていても、管理作業を続けること。多くの管理作業は、法律的な問題とか、発注者からの要請で来ることが多く、言っても無駄だし、それを無駄であると指摘するよりも、それに従って当面作業したほうが楽である。発注者や経理などは大変権力が強く、それに逆らうと膨大な時間と手間がかかるので、通常放っておくのが一番と考えられている。
論文など
広く多くの方々に、素晴らしい事例を知っていただくために、論文を書いています。国内外のシンポジウムやコンファレンスでも積極的に活動していこうと思っています。こういう活動を通して生まれる多くの方々との出会いが、私にとって、何よりも大切な財産だと思っています。日本の素晴らしい文化である「和」を世界に広められればと思っています。
お問い合わせは info@goldrattchannel.net まで
アニメーション
声優は、映画「JUNO」の主役のジュノの声優をやっている大門マキさん、監督は、数々のアニメフェスティバルで大賞を受賞しているArtmic8neoさんという豪華メンバーがやってくれました。彼らのおかげで、原作とは一桁も二桁も違うほどの素晴らしい作品になって、感激しています。こんな作品で世の中を少しでも明るくしていこうかと思ってます!
最近は『ザ・ゴール』シリーズのアニメ映画プロデューサーもやってます。