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クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント CCPM: Critical Chain Project Management

くりてぃかるちぇーんぷろじぇくとまねじめんと しーしーぴーえむ

クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント(略称CCPM)とは、世界的なベストセラーとなった『ザ・ゴール』の著者であり、物理学者でもあるエリヤフ・ゴールドラット博士が開発し、『クリティカルチェーン』の中で発表した、不確実性の高いプロジェクト環境において、工期短縮を実現するための全体最適のプロジェクトマネジメント手法である。

 

もっともユニークな特徴は、不確実性の高いプロジェクト環境において、人にありがちな行動を以下のように深く理解することを起点としていることである。

  • 不確実性に対して安全余裕を見積もる(「サバよみ」と一般に呼ばれる)

  • 与えられた時間をあるだけ使ってしまう(「パーキンソンの法則」と一般に呼ばれる)

  • 納期ギリギリになってから本気で取り組む(「学生症候群」と一般に呼ばれる)

  • 早く終わっても報告すると次回工期を短くされることを恐れて報告しない(「早期完了の未報告」と一般に呼ばれる)

  • すべてが最優先で仕事の質が下がる(「バットマルチタスク」と一般に呼ばれる)

 

これらの行動を悪いことと認識するのではなく、不確実性の高いプロジェクトにおいて、他の人に迷惑をかけたくない責任感からくる行動とポジティブに考えて、人の仕事の質を上げるために次の基本的な概念でプロジェクトマネジメントを行うことを推奨している。

  • タスクの優先順位を明らかにして、今はやらないことを決めるNot To Do

  • プロジェクト関係者みんなで「目的Objectives」「成果物Deliverables」「成功基準Success Criteria」でプロジェクトの目標をすり合わせるODSC

  • ベテランと若手が一緒になって後ろから段取りを考えるBackward Planning

  • 各タスクにおいて、ベテランと若手が一緒になって、できるかできないか五分五分の期間と安全余裕を考える「ゆとり創造」(別名「サバ取り」とも言われている)

  • 変えられない過去から変えられる未来に集中する「あと何日」の進捗管理

  • 上記で創られたバッファーの浸食の度合いをグリーン、イエロー、レッドで見える化することでプロジェクトの状況を示すBuffer Management

 

CCPMは「プロジェクトは人が行うもの」という前提でマネジメントするので「人中心のプロジェクトマネジメント」と言われ、不確実性の高い環境における人材育成の手法として活用されているケースも多い。

 

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