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スループット会計 Throughput Accounting

スループット会計とは、組織全体のキャッシュフローを最大化し、儲けを増やす全体最適の意思決定をするために開発された管理会計手法である。世界的なベストセラーとなった『ザ・ゴール』の著者であり、物理学者でもあるエリヤフ・ゴールドラット博士が開発し、『ゴールドラット博士のコストに縛られるな!』の中で詳細が書かれている。

 

スループット会計では、下記3つの指標を活用する。

 

  • スループット(T):販売を通じて生み出す速度。具体的には「売り上げ-真の変動費(原材料・部品費)」となる(販売前の製品の金額は含まれない)

  • 在庫(I):販売するものを作るために投資したお金(原材料・仕掛品・製品の在庫品に含まれる材料の購入金額。加工などで付加される価値は含めない)

  • 業務費用(OE):在庫(I)をスループット(T)に変えるための費やすお金(減価償却費や光熱費、労務費など直接的に製品・サービスの生産に結びつかない費用は全て業務費用に含める)

 

「販売するまでカウントしない」「配賦を一切しない」という点では、「限界利益」と同じ考え方ではあるが、スループット会計の最大の特徴は、「つながり」と「ばらつき」のある仕事の流れの中でボトルネックが必ずあるということを前提に、ボトルネックに集中して改善することで、どのくらいのキャッシュフローを生み出せるのか、前もって予測できることである。変えられない過去である結果を評価する従来の会計と異なり、変えられる未来に集中してマネジメントをすることを目的としている。

 

なお、スループットは、物理学用語から来ており、単位時間当たりの処理能力のことである。コンピューター業界では単位時間あたりの処理能力、通信業界では通信回線の単位時間あたりの伝送量を表す用語である。

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