中期経営計画の策定支援
Goldratt Japan は様々な企業の「中期経営計画」の策定を、TOCの問題解決手法「思考プロセス」「E4V」「S&Tツリー」などを使って支援しています。ご相談をご希望の方はお問い合わせよりご連絡ください。
事例:NKE株式会社
戦略と現場の行動を結びつけて利益率を大きく向上
工場の自動化機器の製造を主力ビジネスとするNKE。好業績を上げていた同社だが、2000年代に入ると経営環境の変化で利益率が悪化。中村道一社長は、綿密な戦略を打ち出しても、現場の行動に結びつかないことに悩んでいた。そんな同社が、TOCを学ぶことで業績を急回復させた。
「どんなに優れた計画をつくっても、現場がそれに基づいて行動できなければ意味がありません」。NKEを率いる中村道一社長は、こう力説する。
経営環境の変化によって利益率の悪化という苦境に陥った同社が、全体最適のマネジメント理論である「TOC(Theory Of Constraints=制約理論)」を駆使して業績を大きく回復させた。現場の社員が、中長期的な経営戦略に基づいて行動できるような仕組みを築いた結果だ。(続きは)
事例:横河ソリューションサービス株式会社
(講演録)「絵にかいた餅」と揶揄されることも少なくないのが経営計画。多くの関係者、しかも、経営幹部や次世代を担うリーダーという希少リソースを活用し、知恵をひねり会社の将来を描く中期経営計画ですが、実際には、絵にかいた餅に終わることも少なくないと言われています。
その理由の多くは
・数字のみが先行し、具体性に乏しい
・現場活動に落とし込むのが難しい
・具体的な商品やサービスという「中身」がない
まるで「アンコ」のないモナカの様だと言われることも少なくないのが現実とも言われています。TOCには、商品・サービス・技術で語る中期経営計画の骨子をたった1日で創るE4V(Eyes For Value)というプロセスがあります。
数字は結果であって、大事なのは、お客様がWOW!と言う商品・サービス・技術を創ること、それがなければ、数字はついてこないのは自明です。
中期経営計画に関わる人のみならず、お客様のボトルネックを解消したい方々に勇気と希望をくれる内容です。
講演者:横河ソリューショサービス株式会社 執行役員 勝木雅人氏
解説:バックキャスト中期経営計画とは
御社では、中期経営計画をどのように策定しているでしょうか?」
まずは売上高や利益率を決めて、それを達成するための施策を現場が立案するという段取りになっている場合、途中で当初の計画が「絵に描いた餅」だったと落胆するケースも少なくありません。いくら高い目標を掲げても、世の中にWOW!と言わせる商品・サービスがなければ、数字は付いてこないのです。 こうした状況に陥らないための秘策があります。それは、財務的な数字ではなく、10年後にどのような会社になっていたいのかという「ありたい姿」を描き、そこからバックキャストで実現に向けたシナリオをみんなで描くことです。
これを実践して、経営危機から脱却して数々のWOW!なクルマを生み出したマツダの取り組みの詳細が紹介します。動画はこちら
事例:マツダ 金井誠太元会長が語る バックキャストイノベーション
「10年後のありたい姿」を描く
「ブレークスルーの実現に最も重要だったのがバックキャスティング、すなわち「2015年にどうありたいか」をみんなで考えて計画に落とし込んだことです。マツダでは通常のモデルチェンジが5年、新車開発期間は約3年です。当初は「10年後を考えろ」といっても、どこから手をつけていいのか分からないので何も出てきませんでした。
このとき、40を超えるチームを作って議論してもらいました。各チームにヒアリングした際、私は「まだまだ志が低いなぁ、それで世界一になれるのか」「まだまだ制約にとらわれているな」「これまで誰もやったことがない工夫がどこにあるんだ」と、大半のアイデアをつっかえしました。
制約を外せといってもなかなか外れません。制約を知っていることが自分の技術力だと思い違いしている人が多いのだと感じました。なかには「ノウハウ」という名前の付いた制約もあります。なぜそうするのか、つまり「ノウホワイ」を理解していないノウハウは始末が悪いものです。
このようなコミュニケーションを繰り返していると、そのうちに、現実から離れて夢を語り始めます。そして夢みたいな話がだんだんと希望に変わる。さらに希望が意志になり、意志が計画になって、どんどん目が輝いてくる。こうして醸成されたロマンは簡単に部門の壁を越えて共有化されて、チームが一つになってくる。ゴールがはっきりイメージできるようになると、克服すべき課題も明確になります。「どんな犠牲を払ってでも、この障害を乗り越えよう」という覚悟ができてくるのです。
世の中には、改革を実現するために危機感をあおるマネジャーも少なくありません。しかし、危機感から生まれたエネルギーを超えるもの――それは、世界一になるチャンスだというロマンとパッションです。だからこそ、モノ造り革新は成功したのだと確信しています。マツダでは、今でも10年後の「ありたい姿」を描く活動を経営レベルから細かいユニットレベルに至るまで各階層で定期的に実施しています。
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